感想 AI VS. 教科書が読めない子供たち
こんにちは。サーカスです。
私は今後AIが発展していくと思っていますが、AIに関連した本を読んでいなかったので、今回はこちらの「AI vs. 教科書が読めない子供たち」を読みましたので感想を述べたいと思います。
私もこの本を読み始めるまではAIに過度に期待を寄せる人物の一人でした。AIが今後ますます発展していき、シンギュラリティを起こしたり、世界を抜本的委変革してしまうのではないか、例えばターミネーターのような世界を生み出すのではないかとある種の妄想をしていました。
しかしこの本を読んで、そのような未来はそこまで実現可能ではないということが良く理解することができました。
AIとはただの計算機(四則演算をするだけの機械)であり、それ以上のことはできない、と。言われてみれば当たり前のことです。
私がAIがこれから発展していくだろうと、今の人間の想像もつかないような世界を生み出すのではないかと思った経緯にはコンピューターが囲碁の名人を打ち破ったことがきっかけだったと思います。
その頃は囲碁はまだまだコンピューターが人に勝つのは難しいと言われていたゲームで、そのゲームで勝ったことによって私はAIが人間を上回る能力をどんどんと獲得していくだろうと推測しました。
AIの発展によってもたらされるのは豊かさだけではないとこの時から感じていましたが、それでも大部分がAIにとってかわられる可能性を私は肌で感じたのです。
けれどAIはやはりただの計算機だ、と言うことがこの本を読んでよくわかります。
AIはただの計算機で、前提条件がしっかり整ったもの以外にはまだまだ適用が難しいということが分かりました。
例えば読解問題。
「東ロボくん」と言うAIを使い、東大合格を目指すというプロジェクトの中でどれだけ学習させてもうまくいっていないのがこの分野だそうです。
この文節で印象的だったのは「万を教えて1を学ぶのがAI」という文章です。
人はおおよそ文脈を判断して、大体こういうことを言っているんだなと推測することができますが、AIにはそれができないという。
また前提条件の違う事柄、試験で出てくるようなお手本のような会話と、普段友達とやり取りする時に話すような会話では私たち人間からすればおおよそ似ている部分を読み取り、変換することが可能ですが、AIによっては全く違う文章のように見えるということです。
前提条件がしっかり整っている分野(例えば数学)においてはAIはますます進歩すると私はそう感じました。現に「東ロボくん」のは既にMARCHに合格するほどのレベルに達しているそうです。
さらに筆者はAIを研究していく中で現在の日本人の基礎読解力の低下に著しい危機感を感じていると話します。
私も掲載されている結果を見て驚きました。
約半数の、酷ければ4分の1以下の正解率しかありません。
皆さんはどんなに難しい問題が出されたのかとお思いでしょうが、基礎読解力と銘打っているように、難しい感じが出てくることもなければ、難問の数学のように複雑な計算が必要でもありません。
しっかりと読んでいれば答えられるような問題でこれだけ多くの人が間違うことに私も危機感を抱きました。
また筆者は記者に「正解率が半数を超えているのではダメですか?」と言う質問を受け、驚いたと言います。
それもそのはずで、基礎的な読解力がコイントスの確立とほぼ同じと言うことが良いと言えるはずがありません。
つまり、人は人の話を2分の1の確率で読み間違えるということです。それが深刻でないはずがありません。
AIがシンギュラリティを起こす可能性は低いにしても、AIはますます発展していく分野であり、現代人の仕事を次々と奪っていく可能性は高いでしょう。
その時AIが苦手とする読解力と言う分野を既に苦手としている人が今後どうなるか、悲惨な未来が目に浮かびます。
AIにとってかわられるような分野を人間がいつまでもやっている必要はないと思います。
代わりにAIにはまだまだ難しいとされる分野の能力を伸ばしていかなければ、今後仕事を失ったり、低賃金で働かざるを得ない環境になってくると思います。
私は今回この本を読み、改めて自分の基礎読解力を鍛えようと思いました。
自己成長を続けることは何よりもリスクを回避する一番の方法だと思うからです。