本の紹介~十二人の死にたい子供たち~
こんにちは。サーカスです。
今回は冲方 丁さん作の「12人の死にたい子供たち」を紹介したいと思います。
未成年による自殺の報道が年々増えているように感じます。
しかし、この国は未成年の自殺者だけでなく、社会人や高齢者の自殺者も多くだしてしまっている現状です。
皆さんは平成26年の自殺者の内2.1%が未成年の自殺者だということをご存知でしょうか。全体の自殺者の総数は約2万5千人なので、少なくない若者が自ら命を絶っていることが分かります。
自殺の原因は様々です。
未成年に関して言えば、学校内でのいじめ、環境に馴染めない、生活環境の悪さなど挙げられます。
また、それらが発端としてうつ病や精神病を発症したりして生きるのが辛くなり、自殺という手段を選んでいる人もいます。
私もかつて自殺したいと思ったことがありましたが、現在は普通に働いていて、結婚もしています。
あの頃の自分からしたら想像もできないことだと思います。
なんだかんだと踏みとどまってこれたのは色々な本を読んできたからだと思っています。
私は自殺しようとする人間を止める立場にありません。
私もそちら側の人間でしたので。
私に出来る事はただこのブログで本を紹介することだけです。
私の価値観の中に組み込まれていった小説たちを皆さんに紹介すること、ただそれだけです。
紹介したからと言って四の五の言うつもりもありません。
ただ、読んでみようかなと思えてくれた幸いです。
先程も言いましたが人が自殺をする理由は様々です。
自分にとっては重大な事でも、他人からしたら大したことの無いことが原因ということは珍しい事ではないと思います。
この小説に登場する12人の子供たちはそれぞれ自殺したい理由を抱えています。
作品内容紹介
廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫をあけると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にとり、「集いの場」へおもむく決まりだった。
初対面同士の子どもたちの目的は、みなで安楽死をすること。十二人が集まり、すんなり「実行」できるはずだった。しかし、「集いの場」に用意されていたベッドには、すでに一人の少年が横たわっていた――。
彼は一体誰なのか。自殺か、他殺か。このまま「実行」してもよいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、子どもたちは多数決を取る。不測の事態を前に、議論し、互いを観察し、状況から謎を推理していく。彼らが辿り着く結論は。そして、この集いの本当の目的は――。
内容自体はミステリーで、読みごたえも勿論ある。
物語の展開の仕方が巧妙で、登場人物が多いながらもページを捲る手は止まらない。
ミステリー自体にも面白味があって、最後まで読むと心がスッとするでしょう。
しかし、私が個人的に注目してほしい事はそれぞれの死にたい理由です。
子供がどういった理由で死にたがっているのか。
それを意識して読んでほしいのです。
そうすることで皆さんの中に何か新しい価値観が生まれることを祈っています。